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あんただけ死なない

あんただけ死なない  森奈津子


表紙もさながら、しょっぱなからのアブノーマルで激しい性描写に、もしかしてエログロ!?と、選択を誤ったかと思ってしまいました。同性愛、バイセクシュアル、ポリガミーなど、めくるめく性愛の倒錯。それに作者の趣味に堂々とゲイ・カルチャー観察などと書いてあれば、ちょっとびっくりしてしまうのも無理はないと思います。
しかし、ハルキ・ホラー文庫ならではのホラー感や時々コミカルになる文体により、思ったより楽しめました。キレがよくて、ちょっと笑えます。
最後が救いのある物語なのがまた、好感を持てる作品です。


☆4




theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

こどものころにみた夢

こどものころにみた夢  角田光代他


豪華作家人によるアンソロジー。
タイトルを見て、作家さんてどんな夢(寝ているときに見る)を見るんだろうと思って手に取りました。
しかしこの「夢」というテーマはその作家さんが考える夢をつづったもので、ノスタルジック溢れる夢のような懐かしい思い出だったり、心の奥底に存在するような夢か現かわからない痛みであったり、夢の外では絶対にありえない恐怖譚であったり。
まさに「夢物語」でした。


☆4



theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

栄光一途

栄光一途  雫井修介


柔道界のドーピング問題の話。
主人公の取り組む問題の大きさに比べて、全体的にそこはかとなく地味な雰囲気が漂うものの、とても読みやすい作品でした。
作品解説でもアマゾンレビューでも多くの方が柔道の対戦シーンが秀逸との感想を抱いているようですが、私にはそうは思えませんでした。格闘技に全くといっていいほど触れたことがないので状況の想像がちょっとめんどくさくて。。
しかし柔道についての知識がなくても充分楽しめる小説です。
最後に明かされる事実は、かなり意外でした。重圧に耐えかねて心を病んでしまったのでしょうか。
あと、かなり的を得ているけどやはり地味なタイトル。作者のネームバリュー抜きで書棚に並んでいたら、私は手には取りにくいかもしれません。


☆4 



theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー  万城目学


ちょっと前に話題になった本。
話題になっただけはあったのですが、帯に書いてある絶賛のコメントは大げさな気がする(まあいつも帯には期待を裏切られるけど)。
確かに笑い所はあったけど爆笑するかぁ?
いやでも、後半からはわりと楽しかったです。面白いというより楽しい小説。深く考えずに感じたまま楽しむ小説。
京都の大学サークルを舞台にした作品なのですが、京都らしいはんなりとした地名がたくさん出てくるのも一興。
人外の物が出てくることを考慮に入れなければ、映像の方が面白い作品かもなぁ。

ところでなんで表紙は4人なの?
高村くんと楠木ふみはわかるけど、主人公の安倍くんはどっち?まさか三好の双子は重なっているとか??


☆4




theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

黒い春

黒い春  山田宗樹

新種の病原体もの。
聖徳太子や小野妹子関連に結び付けてあるところは面白いアイディアだと思いました。
自覚症状もなく、突然黒い粉を噴いて絶命するなんて、実際あったら怖すぎる。。。
しかし、この作者さんはアレですね。作品に自分の理想の女性像を投影するくせでもあるんでしょうか。
絵に描いたような聖女(「直線の死角」紀藤ひろこ)であったり、ちょっと我侭だけどかわいくて庇護欲をそそられる女性(「黒い春」飯守雪子)だったり、一本芯の通った賢女(「嫌われ松子の一生」明日香)だったり。
逆に彼女らや主人公に敵対する関係の人物は、悪を極めたような人柄で(「直線の死角」水野裕美、「黒い春」岡島美保子)・・・・。
男性登場人物は人間としての悩みや苦しみを描写されているのに、特に女性を描写するときに現れる、はっきりと明暗わかれた、いい人はいい人、悪い人はとことん悪い人という傾向が違和感の元凶となったのではないでしょうか。


☆4



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Author:アトミック坊や
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